WHOLEGARMENT® × KONBU® = ROOM

: update:18.09.22

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皆様、こんばんは永田です。

本日は、先日リリースした “ROOM” シリーズの紹介です。
と言っても前回、E-ma店のスタッフが商品について書いてくれているので今回はまた違った角度で”ROOM” シリーズをご紹介します。

まずWHOLEGARMENT®(ホールガーメント®)とは何ぞや?という方もいらっしゃると思いますので、簡単に説明させていただきます。
ホールガーメントとは「無縫製」という意味で、縫い目ができない編み方のことです。通常は前身頃、後身頃、袖などパーツ別に作った生地を縫い合わせて一着の服を作りますが、ホールガーメント®は専用の機械で一着の服を編み上げます。縫い目がないためゴワつきがなく、伸縮性にも優れているため着心地が良いことが特徴となっています。

ここで勘のいい方は「バッグに関係ないやん。」と思われるかと。実際に僕もそうでした。
ホールガーメント®は知っていましたし、実際にニットも着ていた時期もあります。
確かに着心地のいいニットです。普通はこれで満足と言いますか、それをどうのこうのと色々なことを考える人たちがいるのです・・・

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加工前のホールガーメント®ニット(NO.02930

小松精錬株式会社(以下、小松精練)の方たちです。
小松精練の独自の製品染め加工(染料役者)と特殊加工技術KONBU®によって、ホールガーメ ント®で編まれたニットを強制的に縮ませて(本当にビックリするくらいの縮み様です。)、バッグに使える程の硬さやコシを持たせてしまったのです。これまで 世界に無かった新しい風合いと表面感(凹凸感)を持つ素材の開発に成功し、ホールガーメ ント®の多彩な編み加工技術と小松精練の改質加工技術及び染色技術の融合で創り上げた、小松精練にしかできないモノが出来上がりました。

それが、WHOLEGARMENT® × KONBU® です。

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小松精練本社にあるファブリック・ラボラトリー [ fa-bo (ファーボ) ]

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fa-bo屋上から見た小松精練の工場

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fa-bo屋上から見た日本海

今から約2年程前に初めて見せていただき、どのように作って、どうやって売っていくか、どう展開していくかを時間を掛けて話し合いました。実際、ウチの縫製工場 “BASE大阪” にも足を運んでいただいて実際にその場で試作したり、私たちも東京ドーム6個分もの敷地の小松精練本社(石川県小松市)に伺い作業工程やスタッフの方に様々なお話を聞かせていただきました。

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SHIMA SEIKIのホールガーメント横編機

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特殊加工前(右)と加工後(左)の本体

所謂、ニットの3Dプリンターと言われるWHOLEGARMENT®の編み機で編まれた袋をどのようにmaster-pieceの商品として企画するか、WHOLEGARMENT® × KONBU®がもつ可能性をどのように表現するか、自分なりに考えました。考えれば考える程、やれるコト、やったことがないコトだらけの WHOLEGARMENT® × KONBU® ですが、まずはmaster-pieceとしてバッグの機能性と WHOLEGARMENT® × KONBU® が持つ素材感やファッション性を併せ持つバッグをコンセプトに2wayのトートとショルダーバッグを企画しました。

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ニットのカールする特性をバッグの口部分やショルダーベルトに採用することで今までのバッグにはないニュアンスのデザインが出来上がり、また編み地を途中、スエード調に見える天竺から鹿の子にすることで切り替えのデザインになるだけでなく、よりしっかりした底になりました。

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くり抜いた部分にハトメを取り付けテープを通し、中空鋲で固定したハンドル(テープ)は2パーツで構成しており、フロントのマグネットバックル(ドイツ Fidlock)の脱着で、アウター等を止めることができるようになっています。

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さらに内装には、420d コーデュラ®ナイロンに3レイヤー加工をした透湿防水のmaster-pieceオリジナルファブリック “MASTERTEX-05″ を使用した脱着可能なバッグインバッグが付いています。

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このバッグインバッグにはファスナーが付いているので、プライバシー性やセキュリティ性も向上しています。このファスナーもYKKから今年発売されたばかりの「ビスロンタフ」で、樹脂にグラス繊維を混ぜ込みことで強度を出しながら、金属ファスナーより軽量なだけでなく、使用感も軽く使いやすくなっています。

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内装生地には、オリジナルカモを使用し、さらにオリジナル性を高めています。

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ショルダーバッグとして持つ時には、ハンドルを内側に倒すことでスッキリとした印象になります。

色々と説明してきましたが、一番の特徴は本体の素材感やこれまでにないニュアンスだと思います。
ただ欠点もありまして・・・ それは決して安くはないコストです。これは製造過程や工程によるモノで、本体の袋を編むのに約一時間ほど掛かっています。単純計算になりますが、一台の機械で24時間稼働させたとしても約24枚しかできません。この編み上がったモノを製品染め、特殊加工を施して完全に乾ききったところで検品をします。やはり製品染めだけに仕上がりに個体差があり、もちろんある程度の許容範囲は持たせていますが、それでも中々コントロールするのは難しく、実際今回についても何度も作り直しています。さらに出来上がったモノを自社工場の “BASE大阪”に送り、ひとつひとつ手作業で型紙を置いて穴あけ、ハトメ等のパーツを取り付けていきます。これは本体のサイズやカールに誤差があり、職人が目で見て調整していきます。パーツが少ない分、簡単なように見えて実は時間と手間が掛かっています。

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目で見てひとつひとつ型紙を置いていきます。

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マーキングしていきます。

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穴を開けハトメを取り付けているところ。

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今後の課題はやはりこの辺りをどこまでスムーズにできるようにデザインだけでなく、作り方など様々なことを考えていきます。まだ始まったばかりの WHOLEGARMENT® × KONBU®、最先端とアナログが同居するこのシリーズ。私たちのチャレンジと現時点の試行錯誤が垣間見れる商品になっています。2型3色展開でMSPC PRODUCT各直営店全国のお取扱店様オンラインストアで販売中です。できればモノがモノだけでに店頭で手にとっていただけると幸いです。

ROOM master-piece 2018-19AW from master-piece MSPC PRODUCT JAPAN on Vimeo.
ムービーも製作したのでぜひチェックしてください。

最後に話はそれますが、私は洋服に関わらず、ヴィンテージと呼ばれるモノが好きです。10代20代前半は持ってるお金をほぼデニムやフライトジャケット等、20代後半は釣具にも使っていました・・・ 実物でなくても普遍的と思われている当時のデザインのモノや素材に惹かれます。ただそれは当時、最先端の技術やアイデアで作られたモノだと思っていて、長い間使われることで修正やアップデートを繰り返し、少しずつ変わっていきます。わかりやすく言うと、今でこそローテクと言われる60/40クロスやコンバースのオールスター、コールマンのガソリンランタンなんかも発売当時は画期的なモノであったはずです。ないモノを形にする作業、継続していく努力、モノが溢れたこの時代に必要だと思われるだけでなく、今回のWHOLEGARMENT® × KONBU®を使った “ROOM”シリーズのような主観になりますが、面白いと思えるモノを作っていけたらと考えています。

少し長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。

永田

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