TADAOMI SHIBUYASPECIAL INTERVIEW

update:15.03.24

master-piece x Tadaomi Shibuya

直線的に再構築する世界感を持つイラストレーター、アーティスト澁谷 忠臣氏とコラボレーションしたバッグが2015S/S COLLECTIONに登場。氏の原点を振り返りつつ、今回のバッグに込められた思いに迫ります。

――
最初に絵に興味を持たれたのはいつ頃ですか?
澁谷忠臣氏(以下S)
小さいころから絵が好きで、幼稚園に入る前から紙とペンを渡しておけば、静かにしているような子供だったみたいです。小学校に入ってからはガンダムとかロボットアニメが全盛期だったので、色々なロボットの絵をよく描いていました。小さいころからロボット好きは今も変わりませんね。もう少し大きくなると北斗の拳とかの漫画のキャラの絵を描いていました。
――
小学校の頃、絵を習いに行ったりしていたのですか?
S:
絵は習いに行っていません。でもクラスで定期的にイラストコンクールみたいなものがあって、絵の上手い子たちと教室の後ろにそれぞれイラストを貼って、どれが良いかクラスのみんなで投票してランキングを決めるようなことをしていました。結構そこで揉まれました (笑)。

――
なるほど(笑)。そこから中学・高校時代も絵を習わず好きな絵を描いておられたのですか?
S:
そうですね。その頃もやっぱりロボットが好きで、オリジナルのロボットとかを描いたりしていました。あとは自分で漫画を描いたり。全然面白い漫画じゃないんですけど (笑)。
――
その年頃は色々なものに興味が出る時期だと思うのですが、絵以外に興味を持たれたものはあるのですか?
S:
中学くらいから音楽にも興味を持ちだして、姉の影響で映画のサントラを聴いたり、高校に入った頃にヒップホップと出会って、そういう音楽やカルチャーにも興味を持つようになりました。

――
それから多摩美術大学のプロダクトデザイン科に入学されるわけですが、絵を描くというよりどちらかというとモノを作るという方向に向かわれるのはどういうお考えがあったのですか?
S:
ロボットがずっと好きだったという影響もあったのかもしれませんが、家電とか車とかそういったモノをデザインするということ自体に興味を持ちました。まだその頃は、イラストレーターという仕事をするイメージがなかったので、自分の好きなものを活かせれるようなプロダクトデザインの仕事を学ぼうと思いました。学校の課題も面白くて、例えば「結ぶ」をテーマに、ゼロから企画・デザインをして最終的に商品に落とし込むということをやっていました。そういったアイデアからモノを作っていくというプロセスはやっていて楽しかったです。
――
いつ頃からご自身の作品を発表されるようになるのですか?
S:
大学卒業してから結構経ってからです。元々はイラストレーターというより、立体が好きだったので、彫刻の造形作家になりたかったんです。ただ立体は表現としては自由すぎて自分の思うような表現が出来なくて、逆に二次元・平面という制限のあるキャンバスに絵を描く方が自分には合っているというのに気付いて、そこから自分を表現できるようなスタイルを模索していました。でも、ずっと自分の納得のいくようなものが描けなくて、5~6年は悶々とした日々を過ごしていました。まだその頃はイラストなのかアートなのか自分でも分からない感じだったのですが、今の作風にも繋がる直線的な絵を思いついた時に、定期的に応募していた「illustration」という雑誌のコンペでJohn C Jay(※1)が審査員の時に、僕のイラストを選んでいただいて、そこからグループ展などに参加して自分の作品を発表するようになりました。そこからワイデン+ケネディTOKYO LABと一緒に仕事をするようになって、DJ UPPERCUTの1stアルバムのプロモーションビデオを一緒に作りました。またその頃、参加したグループ展にイギリスのイラストレーターエージェンシーの人が見に来てくれて、そこからそういった仕事が広がっていった感じです。

――
なるほど。ご自身の作品を表現されるにあたって、何か影響を受けたり、イメージの元になっているようなものはありますか?
S
僕がこのスタイルを思いついた時は、絵を描く上ですごく音楽に影響を受けていて、例えばヒップホップだったり、当時だとドラムンベースとか、レゲエでもダブとかそういった音楽を、線だとどういう風に表現するのかというのを考えていました。例えばダブなら線を太くしてレイヤー感を出したり、ドラムンベースだとエッジが利いていたり。そういう目に見えない音楽を絵で可視化するということを意識していましたね。あとはスポーツ選手などの絵を描くときは動きの躍動感を面の形でどう表現するかを意識して描いています。
――
たしかにそういう目に見えないものを可視化して描かれているのが、絵の躍動感やリズムとして伝わってきますね。
S
実際にバスケットボールをやっている選手からもそういった躍動感が出ていると言っていただけたりして、すごく嬉しいです。
――
今でも音楽を聴いて絵を描かれることは多いのですか?
S
例えばCDジャケットのイラストなど音楽に関わるようなものを描いたりする時はその音楽を聴いたりしますね。ただ自分の作品を描くときは、音楽を聴くと影響され過ぎてしまうので、自分の中にあるものを表現するために音楽を聴かない事の方が多いです。
 
※1:John C Jay 1993年にクリエイティブデイレクターとして世界的な広告会社ワイデン+ケネディに参加。ナイキ、マイクロソフトやコカコーラ等のグローバルブランドの仕事をする。1994年、ニューヨークのI.D.マガジンの”最も影響力のある40人のデザイナー”に選出される。

――
なるほど。では、今回マスターピースとコラボレーションしたバッグについてお聞きしたいのですが、まず今回迷彩柄をモチーフにされたコンセプトはどういったイメージがあったのですか?
S:
いくつかイメージはあったのですが、以前から迷彩柄はやってみたいと思っていて、マスターピースのバッグを持っている人が、仕事や遊びの中で、都会を生き抜くサバイバル感やタフなイメージを、自分のスタイルでどう表現できるのかを意識して作りました。迷彩のグラフィックも、あまり固くなり過ぎず、どこか遊び心のあるようなものにしたくて、例えば鳥の羽根の様な形のものがあったり、見ていて楽しくなるようにしました。
――
色々な迷彩柄がある中でも、今回の直線的に構成されたグラフィックは印象的ですね。
S:
やっぱり迷彩柄は色々なパターンが世の中に出ているので、それをどう再構築するか、いかに他と違う迷彩柄を作るかということを意識しました。僕の作風として、有機的なものと無機的なものが融合するということを大切にしているので、今回の迷彩もそういったスタイルを元に作っています。

――
今回のバッグは、このコラボレーションの元になったHEDGEシリーズのカラフルなイメージとは違いクールな印象のバッグに仕上がりましたね。納得いただける色にするためにグラフィックの生地サンプルを何度もご確認いただいたり、ひとつひとつのパーツに対しても徹底的にこだわっていただいたり、展示会の日まで色々とご相談しましたね。
S
そうですね。迷彩の総柄ではなく、レザーとのコンビネーションでスタイリングのし易さを意識したり、金具のパーツも色々なものを試したり、ギリギリまで細かいところをこだわりましたね。時間をかけて最後までこだわると実際に良いものが出来るんだなと改めて思いました。
――
最後の方は少しむきになるくらい細かいところまでこだわりましたね(笑)
S
そうですね(笑)。でも実際にそうやって一緒にこだわってやらせていただいて有難かったです。

――
マスターピースとしてはものを作る上で徹底的にこだわるというのを自負してやっていて、今回のコラボレーションはマスターピースのデザインチームと渋谷さんがイメージしているものが近くて、スムーズに作ることが出来たと思っています。また、マスターピースにないアイデアやイメージを渋谷さんからいただいたり、そういうコラボレーションの良さが出たバッグに仕上がっていると思います。
S:
そうですね。コラボレーションっていうのはお互いの良さの融合の中で、最終的にカッコいいものを作るということがゴールだと思うので、一緒に良いものを作りましょうという意識の中でこだわって作れたので良かったです。
――
店頭にも今回のコラボレーションバッグが並んでいるので、ぜひ一度手に取って渋谷さんとマスターピースのこだわりを感じていただきたいですね。今後の渋谷さんのご活動もぜひチェックしていいただければと思います。

 
澁谷忠臣 プロフィール
直線的に再構築する世界感を持つイラストレーター、アーティスト。その独自のスタイルで数々の世界中の企業とのコラボレーションやクライアントワークを行っており、これまでに、GIVENCHY のエンブレムデザイン(2008 年)、NIKE AIR JORDAN CP3.IV のポスター、T シャツなどビジュアル全般を手がけた(2011 年)。また2012 年には、レッドスキンズ、RG3 のイラストが米ワシントンポスト特別号の一面を飾る。昨年はJORDAN BRAND からの依頼でマイケルジョーダンの88 年スラムダンクコンテスト優勝を記念したT シャツのデザインを手がけている。最近ではANARCHY メジャーデビューアルバム”NEW YANKEE” のCD ジャケットのアートワークが大きな話題を呼んだ。また、hpgrp Gallery Tokyo、 2009 年WeSC GALLERY PARIS での個展や、青森県立美術館、ロンドン、NY、LA、バンコクなどで数々の展示に参加、表現の場は国内外、ジャンルを問わず多岐に渡る。
http://tadaomishibuya.blogspot.jp/

No.01990-ts
30,000 円(税別)

No.01991-ts
23,000 円(税別)

No.01992-ts
19,000 円(税別)

[ssba]
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